前回に続き、システムエンジニアの仕事の具体例についてお話いたします。

まだ前回の記事をご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。

システムエンジニアの仕事をわかりやすく!
システムエンジニアの仕事をわかりやすく! 具体例 1

前回のネットワーク監視業務を終え、次なるプロジェクト探しを開始しました。

それまでに、LPICレベル1とCCNAを取得しましたので、以前より選べるプロジェクトの数が多くなった印象でした。

資格についてはまた別記事で紹介いたします。

次に見つけたプロジェクトは「コアネットワークの運用」でした。

全然イメージわかないと思いますので、詳しく書いていきます。

コアネットワーク??

コアネットワークを理解するにはネットワークに関して色んな話をしなければわかりにくいので、端的に書いていきます。

みなさんが使っているスマホからインターネットを見たり、電話をするとき、下記のように電気の信号が伝えられます。(ほんとざっくりしてます)

スマホの無線(LTE) → 最寄の基地局(eNodeB) → サービングゲートウェイ(SGW)
→ パケットゲートウェイ(PGW) → インターネットの世界へ

それぞれ()内は専門用語で申し訳ないですが、それぞれ役割を持った機械が存在しています。

上記のように順に通信していき、インターネットの世界経由で、相手のスマホに信号が到達します。

そのときは先程とは逆で、

インターネットの世界 → パケットゲートウェイ(PGW) → サービングゲートウェイ(SGW)
→ 最寄の基地局(eNodeB) → スマホの無線(LTE)

という感じです。

その中で、SGWという機械とPGWという機械は合体して1つの機械になっていることもあり、私はその機械の運用に関わるプロジェクトに入りました。

その機械を製造している会社に派遣いただき、その機械を利用している通信キャリア(みなさんご存知の3大通信キャリアのいずれか)とやりとりしながら、機械をアップグレードしたり、メンテナンスを行ったりします。

このプロジェクトは、募集している段階では上記のようにアップグレードやメンテナンス、さらには新しく機械を追加するようなこともあるという魅力的なお話でした。

しかし、入場してからたった3ヶ月でプロジェクトが終了してしまったのです。

それまでに経験した仕事はあまりたいしたことないですが、(通信キャリアからの依頼待ち状態だったため)2週間ほど携わった仕事についてご紹介いたします。

MVI(Multi Vendor INterface)試験

先ほどご説明した通信信号の流れの中で、いくつか機械が登場してきたと思いますが、その機械が全て同じベンダー(製造元)であるとは限りません。

A社の機械を使ったり、B社の機械を使ったりしています。

私が派遣された会社が仮にA社だったとして、A社で作っている機械がB社と通信をするという場合、B社の機械と問題なく通信ができるか確認するための試験をMVI試験と言います。

基本的には世界で共通化された通信ルールみたいなものがあるので、それに則って機械を作っているので製造している会社が異なっても通信ができます。

しかし、たまにうまくいかなかったりすることがありますので、実際に使い始める前にテストを行うわけです。

例えば、スマートフォンでメールを送るとき、日本語や漢字は問題なく相手に送られますが、顔文字はどうでしょうか?

自分の端末にある顔文字でも、相手に送ったら文字化けしているなんとことが以前はありました。

それは顔文字が世界共通のルールで決められていたわけではないからです。(つまり、会社ごとに好きに決めていた)

このように、使用目的が一致していても別々の会社が作った機械を作ると、共通していない部分が出てきてしまうので、それがないか確認するのがMVI試験というわけです。

話が難しくなってしまいましたが、具体的な仕事内容としては、決められた試験項目に沿ってひたすら試験を行っていきます。

A社の機械から送った信号が、B社の機械にお通って、正しく通信しているかテストを行います。

通信といっても色んなケースがあるので、ケースごとに検証をしていく作業になります。

電波を遮断する特殊な部屋に入って、試験をしますが数週間の間ずっと試験だけを行うほどたくさんの試験項目があります。
(ずっと寝泊まりするわけではありません)

この試験は機械の仕組みや通信の仕組みを知っている熟練者が主導で行い、私はサポートでお手伝いをさせていただきました。

MVI試験が終わった後

MVI試験のサポートが終わった後、試験結果のまとめ作業を行いました。

試験結果をまとめ、次なる仕事に向け冒頭で紹介したSGW、PGWという機械の運用マニュアルや設定の変更方法などを読み込んでいました。

しかし、いくら待っても仕事の依頼がなく、ついにはプロジェクトが解散になってしまいました。

私にとって衝撃的な出来事でしたが、プロジェクトとしてそういうことはたまにあるということを後で知りました。

数ヶ月後に大きな計画があって、そのために前もって人員を集めて研修をしていた中、事情が変わって計画が進められなくなり、前もって集めた人員が必要なくなったということです。

結果的にそのプロジェクトは3ヶ月しかおらず、メインで行った仕事はMVI試験だけでした。

モヤモヤするプロジェクトではありましたが、多少なりとも運用の現場にいたことが次のプロジェクト選びで有利となりましたので、今となっては良かったと考えています。

「ネットワークの監視業務」、「コアネットワークの運用」を経て、いよいよシステムエンジニアとして次は「ネットワークの構築」の仕事に入っていくこととなります。

次回は「ネットワークの構築」のお話になりますが、そのプロジェクトに入る前に1日だけ経験したプロジェクトがあったので、そのお話を先にしたいと思います。