システムエンジニアだけではないですが、トラブルが起きた時の対応力でその人の力量ってわかるんじゃないかと、私は感じています。

私は前職、大学の事務員をやっていて附属病院に配属されていた時もあり、当時の上司は患者さんのクレームに応対することは一切なく、全て私にやらせていたことがありました。

相手は責任者だせって言ってますよ、って伝えてるのに「わたなべが担当者だって言って応対すればいいじゃん。」ですよ?あれは辛かったですね。

そんなことはさておき、トラブルが起きた時の対応力というのは、どれだけトラブルの影響範囲を把握しているか、解決策を考えられるか、ユーザー側の理解が得られるよう説明できるか、など高度な力を求められます。

システムエンジニアの仕事も同じで、どこかで必ずトラブルに出くわします。

その時、一人のエンジニアとしてどういう力が必要になるのでしょうか?

原因の探し方

ここはわかりやすく実例で考えてみましょう。

みなさんはスマホが急にインターネットに繋がらなくなったら、どうやって解決しますか?

実際に私の奥さんが2週間ほど前、この状態になりました。

機種はHuawei P10 liteで、楽天モバイルを利用しています。

症状としては、どうしてかLINEでメッセージが送れない、でも電話はかけられた、という状態です。

待てど暮せど繋がらないということで、私が見ることになりました。

切り分けポイント

まず、確認したのは下記の項目です。それぞれポイントも書いていきます。

電話は通じるがネットが見れない(電話通信は問題なし)

データ通信はオンになってる(端末の設定は問題なし)

Wi-Fiに繋げばLINEが送受信できた(ネット通信機能は問題なし)

ここまで切り分けはできたので、どうやら「端末のインターネット機能は正常に有効になっているものの、Wi-Fiじゃないデータ通信ができてないようだ。」ということです。

コツは、一つずつ正常かどうか見ていき、問題の範囲を絞っていきます。

次に、設定を見たときに赤く①と通知ドットがついておりました。

開いてみるとどうやらシステムアップロードがされていない通知だったようで、じゃあアップロードすれば直る!と思いアップロード。

そして再起動して、つながる、、、

かと、思いきやまだつながらない!!

ここまで来ると、もはやわかりませんよね。。。

スマホは通信できる状態、Wi-Fiもできる、でも普通の通信ができない、、、

ん、普通の通信の接続先は正しいのか?

と、思いつきました。楽天モバイルのAPNが良くなかったのです。

Access Point Name の略で、簡単に言うと楽天モバイルなら楽天モバイル会員さんが最初に接続して登録情報とかを確認する入口です。

その入口で認証を受けて、登録情報が確認できればインターネットの世界にでることができます。

プロバイダー毎に固有のAPNを持っています。

今回は、そのAPNが楽天モバイルの人が設定するAPNじゃなかったためインターネットに繋がりませんでした。

その接続先を変更したらやっとインターネットに繋がり、LINEも利用できるようになりました。

なぜそのようなことになったのかですが、おそらくですが、自動でシステムアップデートが行われなかった拍子にAPNが勝手に切り替わってしまったんじゃないかと思われます。

私も同じ機種、同じく楽天モバイルですが、寝ている間にアップデートしていたみたいで私の設定アイコンに通知ドットがありませんでした。よって、自動でアップデートされていました。

現実は、ズバッと問題を特定できることの方が少ない

今回ケースは最後の最後で超専門的な分野になってしまいましたが、問題を切り分けるということのイメージはついたかと思います。

システムが止まった、何かが使えなくなった、というのは必ず問題を切り分ける必要があります。

システムがご丁寧に「部品Bが壊れちゃったから交換して」って言ってくれるなら助かりますが、そういう仕組みになってるのは稀ですね。

特定の原因をピンポイントで探すことより、正常に動いてる箇所をどんどん見つけて考えられる原因を絞っていくことの方が有効な場合が多々あります。

システムエンジニアという仕事に限らず、トラブルが起こった時にぜひ切り分けるというテクニックを使ってみてください。